愛知県犬山市の病院 ふなびきクリニック
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医療豆知識
 
高血圧について
高血圧とは、血圧値が正常とされる基準値を超えて高い状態が続くことを言います。特別に目立った自覚症状がなく、症状から判断するのが難しいことが特徴ですが、高血圧で問題になるのは「高血圧そのもの」より、「血圧が高い状態を放置して起こる合併症」です。

特に、高血圧は「動脈硬化」と深い関係にあります。動脈硬化は、血管の内壁に余分なコレステロールなどが溜まり、血管の中が狭くなったり、血管がしなやかさを失いもろくなったりした状態をいいますが、動脈硬化が進むと様々な合併症を引き起こします。

高血圧の主な合併症
脳出血 … 脳の血管が破れて起こります。(約90%が高血圧が原因)
脳梗塞 … 脳の血管が塞がって起こります。
高血圧性心肥大 … 心筋細胞が肥大して、心臓の収縮や拡張が障害されます。
心筋梗塞 … 心臓に栄養を送る冠動脈が閉塞して心筋が壊死します。
狭心症 … 冠動脈の狭窄によって心筋が酸欠状態になります。
腎硬化症 … 高血圧によって腎臓に動脈硬化が起こって、腎機能が低下します。
大動脈瘤 … 大動脈が瘤状に拡張して、破裂する危険性があります。
末梢動脈疾患 … 腹部や下肢の動脈が狭窄ないし閉塞して、血流障害を生じます。

動脈硬化は、糖尿病や脂質異常症、喫煙などがあると相乗的に進行します。また、動脈硬化は老化と共に進みますが、高血圧によってさらに動脈を硬くし、動脈硬化がまた血圧を高くする…という悪循環に陥ることになります。

高血圧の治療は、患者さんの血圧のレベルや年齢、体質や合併症リスクの程度などを総合的に判断して行われます。リスクが高くない場合、当初は食事療法と運動療法を中心とした生活習慣の改善がすすめられます。それでも血圧が目標値まで下がらない場合には、降圧薬を使って段階的に血圧をコントロールすることになります。尚、薬を服用しても生活習慣の改善が治療の基本になりますので、血圧が下がっても安心せず、継続して良い生活習慣を保つことが大切です。

「生活習慣改善のポイント」
高血圧の治療の基本は「セルフケア」です。運動療法と食事療法を我慢強く続けていきましょう。

1.ライフスタイルの見直しのすすめ
高血圧は遺伝的要因もありますが、生活習慣病と言われるようにライフスタイルによる危険因子の積み重ねの方が大きな要因です。以下のチェック表にしたがって各自の改善すべき点を洗い出し、チェックされた項目を見てできることから自己目標を立てるとよいでしょう。

血圧を下げるためのライフスタイルのチェックポイント
・精神的ストレスをためない!
・過労、睡眠不足を避ける!
・毎日適度の運動をする!
・アルコール類はほどほどに!
・喫煙は百害あって一利なし、禁煙の努力を!
・入浴はぬるめの湯に入る!
・排便は規則正しく行う!
・不規則な生活をしない!
・適正体重を維持する!

2.ストレス発散法を見つける

ストレスは誰にでもありますが、蓄積しないように時々発散する方法を身につけておくことをおすすめします。ストレス発散法は十人十色で、カラオケや映画鑑賞、ドライブにショッピングなど、自分に合った発散法を見つけるとよいでしょう。

3.38〜40度ぐらいの湯加減で入浴する
入浴時には湯温に留意し、夏場は38度前後、冬場でも40度前後に調節しましょう。(42度前後に慣れた人にはかなりぬるく感じる温度です。)また血圧を上昇させないために、湯船につかる時間は1回5分以内、入浴時間も20分までが目安となります。尚、脱衣所との温度差を少なくすることも重要です。

「食事と運動のポイント」
食事と運動もセルフケアの一環です。意識し続けていくことが大事です。

1.適正体重の維持
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
BMIは肥満度の判定法です。この値が25を超えないようにしましょう。

2.1日3食、バランス良く食べる
1日3食、朝食も欠かさずとり、栄養バランスの良いメニューを心がけるようにしましょう。基本となるのは、満腹にならないように、腹8分目の量にすることです。ゆっくり時間をかけて食べることも大切です。

3.食塩は1日6g未満が目安
食塩の過剰摂取が、高血圧を招くことは広く知られています。高血圧の治療のためにも、食塩の摂取を少なくしましょう。日本人は1日平均10g以上の食塩を摂取していますが、治療のためには徐々に減らして1日6g未満にする必要があります。調理法を変えたりして、薄い味に慣れるようにしましょう。

4.脂肪は肉より魚、良質のたんぱく質も大切
食事では良質のたんぱく質を摂取し、たんぱく質を不足させないことが大切です。牛乳、卵、大豆などがおすすめです。また、肉などはコレステロールを増やすため少なめにして、魚を1日1回以上は食べるようにしましょう。

5.有酸素運動のすすめ
運動は、酸素を十分に取り込みながら行う有酸素運動が効果的です。ウォーキングやジョギング、スイミングなどの運動を1日30分以上、毎日継続して行うようにしましょう。中でもおすすめは、誰でもできるウォーキングです。下記のような姿勢で早歩きすることがコツです。

効果的なウォーキング
・視線は高い位置からやや遠くを見下ろすようにする。
・軽くあごを引く。
・腕を振って背すじを伸ばす。
・ひじは90度に曲げて、大きく前後に振る。
・できるだけ一直線上を歩くようにする。
・後ろの足はひざを伸ばし、地面をけるように歩く。
・歩幅はできるだけ広くとる。足首を90度ほどに曲げ、かかとから着地する。
 
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